e日中関係 新しい段階へ

  • 2018.05.15
  • 情勢/国際
[画像]メインイメージ

2018年5月15日



安倍首相 首脳往来実現に意欲

衆参予算委で中野、秋野氏



衆参両院の予算委員会は14日、安倍晋三首相らが出席し、外交などに関する集中審議を行った。公明党から衆院で中野洋昌氏、参院で秋野公造氏が質疑に立ち、先週9日の日中韓サミット(首脳会議)や日中首脳会談の成果などに関して、首相、政府の見解を聞いた。

冒頭、中野氏は、学校法人「加計学園」の獣医学部新設を巡る問題で、国家戦略特区による設置認可の手続きに瑕疵があるかどうかが重要だと指摘。これに対し、安倍首相は「これまでの国会審議で、誰一人として私から何の指示も受けていないことが明らかになっている」と述べ、改めて自身の関与を否定した。

中国の李克強首相との日中首脳会談の成果について、中野氏が見解を求めたのに対し、安倍首相は、10年以上の課題であった海空連絡メカニズムの合意などで具体的な成果を上げたと強調。李首相から年内に訪中の招きを受けたことを踏まえ、「適切な時期に訪中した後、習近平国家主席に訪日していただき、日中関係を新しい段階へと押し上げたい」と語った。

また中野氏は、日中首脳会談で、東京電力福島第1原発事故後の中国による日本産食品の輸入規制緩和に向け、専門家による協議開始で合意したことに関して、「中国や韓国をはじめ、輸入規制の撤廃、緩和を早期に進めてほしい」と要請。安倍首相は「あらゆる機会を捉えて各国の輸入規制の早期撤廃、緩和を引き続き働き掛けていく」と答えた。

北朝鮮の核・ミサイルや拉致問題について中野氏は、6月12日に行われる米朝首脳会談に向け、米国とどのように連携していくかを質問。安倍首相は、6月上旬にカナダで開催されるG7サミット(主要7カ国首脳会議)などで認識を共有するとともに、「(米朝首脳会談の)終了後には、トランプ米大統領から直接結果を聞きたい」との考えを示した。


釜山―博多高速船航路「混乗」7月23日開始


一方、秋野氏は、がん分野における日中協力の強化について、胃がんが中国を含む東アジアに集中する疾患であることを指摘。「わが国で胃がん予防のためのピロリ菌除菌が保険適用されて以降、死亡者数が減少した」として、日本の成功例を中国と共有すべきだと訴えた。

河野太郎外相は、胃がんを含む医療分野での日中協力について「新たな協力分野になる」と述べ、関係省庁と連携して取り組む考えを示した。

韓国・釜山―博多(福岡市)間で運航している高速船の国際航路について秋野氏は、途中で長崎県対馬市の比田勝港に寄港させ、国際線乗客と国内線乗客が相乗りする「混乗」の実現に向けた取り組みを聞いた。

石井啓一国土交通相(公明党)は、2015年4月に太田昭宏前国交相(公明党)と秋野氏が対馬市を訪れた際に、同市長らが求めていた経緯に触れ、「今年7月23日から運航を開始することを関係者間で合意した。国交省としても5月9日に九州運輸局で海上運送法に関わる認可を行った」と述べた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ