e委員会質疑から

  • 2018.05.18
  • 情勢/テクノロジー

2018年5月18日



歩行の安全 ICTで確保

山本氏 移動しやすい街づくり推進

参院国交委でバリアフリー法改正案可決



参院国土交通委員会は17日、誰もが安心して移動できる街づくりを加速するためのバリアフリー法改正案を全会一致で可決した。

同改正案は、市町村がバリアフリー方針や、重点的に取り組む地区を定める「マスタープラン(基本計画)」制度の創設などが柱。駅や道路、公共施設で一体的に段差解消を進めるなど、地域の実情に応じたきめ細かなバリアフリーを後押しする。施策について、障がい者などが参加する会議が定期的に評価する仕組みも導入する。

採決に先立つ質疑で公明党の山本博司氏は、障がい者の移動支援に、情報通信技術(ICT)が有効と主張。スマートフォンでの音声誘導案内や、バリアフリー施設の地図表示サービスに言及し、「バリアフリーのICT活用をさらに進めるべき」と訴えた。

国交省の北本政行政策統括官は、民間事業者や自治体向けに、ICT活用を促す事例集を作成するなど「歩行者移動支援サービスの取り組みを積極的に進めていく」と答えた。



がんゲノム医療 国挙げて

健康サポート薬局 申請簡素に

三浦氏、伊藤さん



17日の参院厚生労働委員会で公明党の三浦信祐氏は、がんの遺伝情報(ゲノム)を活用した「がんゲノム医療」の推進、伊藤孝江さんは、調剤だけでなく、一般の医薬品や健康食品も扱い、住民の身近な相談窓口となる「健康サポート薬局」の開設申請手続きの簡素化を訴えた。

三浦氏は、近く稼働する「がんゲノム情報管理センター」について、ゲノム情報を治療法の確立や創薬などに生かす世界有数の拠点にしていくため、国として研究と情報収集の体制整備を強力に進めるよう主張。研究成果を国益に結び付けていく観点から、「知的財産に関わる人材育成と企業・弁理士などとの強固な連携をとるべき」と訴えた。

加藤勝信厚労相は、知的財産保護へ有識者や患者らによる協議会を早期に設置し必要な施策を検討するとした。

一方、伊藤さんは、健康サポート薬局について、地域医療の向上に向けた役割の大きさを強調。開設申請では「大量の資料を準備しなければならないなど(薬局側の)負担が大きい」と述べ、改善を求めた。高木美智代厚労副大臣(公明党)は、手続きの簡素化などを検討していくと応じた。



修正指示の履歴残せ

濱村氏 文書管理の適正を担保



17日の衆院決算行政監視委員会で公明党の濱村進氏は、財務省での決裁文書改ざん問題の再発防止策について、公文書の適正な管理を担保する仕組みをつくる重要性を強調し、「修正を指示した履歴を残すように(文書管理システムを)改修するべきだ」と訴えた。

濱村氏は、決裁後に修正を行う事例として、文書に管理番号を付けるなど形式的な処理があることに言及。その上で、現在の文書管理システムでは修正指示の履歴が残らない点を踏まえ、「口頭だけで指示するだけなら証明が難しくなる」と指摘した。

総務省は、修正履歴の共有を含めたシステム改修などについて、「内閣府とよく相談して対応したい」と述べた。



原発保安検査の人材育成が重要

中野氏



17日の衆院原子力問題調査特別委員会で公明党の中野洋昌氏は、東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえ、原発の運転を監視する人材育成の必要性を主張した。

中野氏は、2020年度から電力会社への事前通告なしに原発の保安作業を抜き打ちで検査する制度が始まることに言及。「世界最高水準の検査態勢をめざすべきだ」として、質の高い検査官の育成強化を求めた。

原子力規制庁の荻野徹次長は「力量を身に付けさせる研修をつくり、資格認定を進めている」と答えた。



世代間の交流で商店街を活性化

熊野氏



17日の参院内閣委員会で公明党の熊野正士氏は、商店街活性化に向け、中小企業の資金繰り支援拡充などを盛り込んだ地域再生法改正案に関して、世代間交流による地域活性化を主張。空き店舗を活用した高齢者の居場所づくりなどを通して、「(世代間交流を促し)商店街を活性化させるべき」と訴えた。

内閣府地方創生推進事務局の髙橋淳審議官は、高齢者らによる商店街活性化策を「しっかりと支援していく」と答えた。



SNSで若年消費者の相談体制充実

鰐淵さん


17日の衆院消費者問題特別委員会で公明党の鰐淵洋子さんは、成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案に関連する消費者契約法改正案について質問。社会経験の少ない若年層で消費者被害の拡大が懸念されることから、若年者に合った相談体制の整備を強調した。

この中で、鰐淵さんは、「家族や知り合いに相談できない人が多い。LINEなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を活用した相談体制の充実が必要だ」と提案した。

消費者庁は、「時代の変化に応じて消費者が適切に相談できる環境整備を検討したい」と述べた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ