eコラム「北斗七星」

  • 2018.05.21
  • 情勢/社会

2018年5月21日



大人数の予約を無断キャンセルされた飲食店の店主がツイッターに怒りの声を上げ、店主に同情を寄せるコメントやキャンセルした客を批判するツイートが広がる―ネット上では珍しくない話だ◆しかし先週、珍しく注目を集めるケースがあった。飲食店も名指しされた客(大学)も実在しなかったからだ。しかも、それが発覚するまでに時間がかかった。何しろ、大学をネットで検索すると立派なホームページまであるのだ。要するに手の込んだいたずらである◆大学のホームページは一見本物のようだが、教員紹介のページなどに進めば偽物であることは歴然。難解な漢字が並ぶ店名も、調べてみれば食欲を減退させる軟体動物のことで飲食店には不向きだ。だが、そこまでしないと真相にたどりつけない◆ネット空間には膨大な情報が行き交う。その真偽を見抜くことは容易ではない。ネット社会において情報リテラシー(情報を読み解く力)が求められるゆえんである。まずは情報の発信源が信用できるかどうかを見極めることが重要だ◆13歳から69歳までの男女1500人を対象にした総務省の調査によると、最も信頼度が高いメディアは新聞で、テレビ、インターネットの順に続く。真実の言論が求められる時代に、新聞が果たすべき使命は大きい。(幸)

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