e特別支援校誕生、悲願実る

  • 2018.05.28
  • 生活/生活情報

2018年5月26日



県西部初の小中高一貫

鳥取県



鳥取県米子市上福原にある県立皆生養護学校(河本史幸校長)は今年4月、肢体不自由教育と病弱教育を併置した幼稚部から高等部までの特別支援学校として再編し、新出発した。県西部での小中高一貫校は初めて。保護者からは「安心して通わせることができる。将来への不安が和らいだ」などと喜ばれている。県議会公明党の沢紀男県議が視察し、河本校長らと意見を交換した。


県立皆生養護学校を再編 「肢体不自由」「病弱」の併置校


鳥取県内にはこれまで、国・県・市立の特別支援学校が11校あったが、肢体不自由教育と病弱教育を併置した小中高一貫校は、県東部の鳥取市にある県立鳥取養護学校のみだった。県西部地域からは、遠距離通学になるため、改善を求める声が上がっていた。

皆生養護学校は1963年、肢体不自由教育を主体として開校。2014年には病弱教育高等部が設置された。さらに今年4月、市立米子養護学校の病弱教育小・中学部が県に移管されたことで、肢体不自由教育と病弱教育併置の小中高一貫校となった(市立米子養護学校は校名を「皆浜分校」に変更し、20年度末まで存続)。これにより、県西部地区全体の特別支援教育が充実することになった。

同校の在校生は68人(4月25日現在)で、今年度の入学者は幼稚部4人、小学部4人、中学部7人、高等部6人の計21人。94人の教職員、看護師、介助職員が連携し、子どもたち一人一人に寄り添った指導や医療的ケアに当たっている。

河本校長は「病弱の子が肢体不自由の子の手助けをするなど、これまで以上に明るく賑やかな学校になってきた。地域交流などを行い、心を養う教育を進めていく」と話していた。


公明議員、保護者らに寄り添い推進


同校の環境整備を推進してきた沢県議は、11年6月の県議会定例会で「市立米子養護学校中学部を卒業後、やむなく西部地域の一般の高校に進学した生徒の約3割が中退するという結果が出ている」と指摘。その上で「(進学への)保護者の不安を払拭するためにも県西部における病弱教育高等部の設置が必要だ」と訴え、14年の実現に尽力した。

また、12年11月の定例会では「県立鳥取養護学校のように小中高一貫の特別支援学校を設置することが一番望ましい」と主張し、一貫校の設置を求めた。

これに対し、平井伸治県知事は「できるだけ早く体制を整えたい」と答え、早期設置を進める考えを表明した。

同校の授業を視察した沢県議はICT(情報通信技術)を活用した交流授業など「より充実した学校生活が送れるようバックアップしていきたい。障がいのある幼児、児童、生徒の自立と社会参加に向けて強力に支援していく」と語っていた。

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