e働き方法案 衆院委で可決

  • 2018.05.28
  • 情勢/経済

2018年5月27日



残業時間 罰則付き上限

自公と維新、希望が修正合意「高プロ」に解除規定



衆院厚生労働委員会は25日、働き方改革関連法案を自民、公明の与党と日本維新の会の賛成多数で可決しました。法案は(1)時間外労働の罰則付き上限規制の創設(2)終業から始業まで一定の時間を空ける勤務間インターバル制度の普及促進(3)同一労働同一賃金へ正社員と非正規労働者の不合理な待遇差を禁止――などが柱です。採決では、野党が議事進行を妨害しました。

時間外労働の罰則付き上限規制は、1947年の労働基準法制定以来初めてです。時間外労働の上限は、臨時的な特別な事情がある場合でも月100時間未満、年720時間などとしています。

多様な働き方の実現へ、職務の範囲が明確で高収入の専門職に対象を限定して、労働時間規制の適用を除外する高度プロフェッショナル制度(高プロ)も創設します。高プロの対象となる要件は「法改正することなく緩和することは不可能」(23日の同委員会で安倍晋三首相)になっています。

働き方改革関連法案を巡っては、自民、公明の与党と日本維新の会、希望の党の国会対策委員長、実務者らが21日、国会内で会談し、高プロなどの一部修正で合意しました。

修正案では高プロについて、適用を受けた労働者が自らの意思で解除できる規定を新たに盛り込みました。高プロ適用解除の手続き創設については、11日の衆院厚労委員会で公明党の伊佐進一氏が提案。厚労省から大臣告示による指針で対応するとの答弁を得ていましたが、法案に明記されることになりました。

修正案には、中小企業における労働時間の短縮や同一労働同一賃金の導入に向け、地方自治体と労使の代表などで構成する協議会の設置に関する規定も追加します。これについて公明党の桝屋敬悟厚労部会長(衆院議員)は、「公明党の提案で、これまで各都道府県に設けられてきた『地方版政労使会議』に法的根拠を持たせるもの」との認識を示しています。

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