eコラム「北斗七星」

  • 2018.05.31
  • 情勢/社会

2018年5月31日



梅雨入り前後のすっきりしない日が続く。気だるい帰り道、ふと見上げた夜空。視界を覆う雲の向こうに月や星が輝く世界があると想像したら幾分気も晴れた。ミュージシャンの大貫妙子さんが『私の暮らしかた』で次のように語っていた◆「天空が星でうめつくされている壮大な夜空を見上げたとき、私たちはそこで地球が宇宙の一部であることを確かめることができる」。夜空の星たちを目にすると宇宙を感じることが確かにある◆その宇宙を今、ただ一機で旅する日本の探査機がある。2014年に打ち上げられた「はやぶさ2」。めざすは地球と火星の間にある小惑星リュウグウ。到着は6月21日~7月5日ごろとか。生命の起源を探るのが目的だ◆生命の起源と言えば「宇宙は遠い存在ではなく、私たちが生まれた故郷なのだろう」と、宇宙飛行士の山崎直子さんが語っていた(日経新聞)。『新・天文学入門』(嶺重慎・鈴木文二編著)には次のような指摘があった◆「からだのおもな成分である炭素や酸素や窒素などは、かつて天の川銀河の中で輝いていた恒星の内部でつくられた」「ですからわたしたちは『星の子』ともいうべき存在なのです」◆「星の子」。照れくさいような気もするが、うっとうしい季節、宇宙に思いを馳せるのも気分転換になるかも。(六)

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