e発達障がいの子に寄り添う

  • 2018.06.04
  • 生活/生活情報

2018年6月4日



高校卒業サポート校開校

福岡・久留米市



対人関係や集中力などに課題がある発達障がいの生徒を受け入れ、通信制高校の卒業を支援するサポート校「有馬高等学院」が今年度、福岡県久留米市に開校した。同学院では、学習支援(教育)と生徒の自立を促す生活訓練(福祉)を組み合わせた独自のコースを設け、学費負担を軽減する全国初の試みを実現した。公明党久留米市議団(坂井政樹団長)はこのほど、同学院を視察し、関係者から話を聞いた。


全国初 学習支援と自立訓練を併用


市の助成活用し学費負担軽減


発達障がいの子どもは、中学校までは別室登校や特別支援学級などで教育のサポートを受けられる。しかし、高校では支援環境が整っている場所が少なく、高校進学がしにくいのが現状だ。そのため、通信制高校の教育課程で学びながら、通信制高校の卒業支援や生活訓練を受けられるサポート校(民間の教育施設)に、全日制高校のように通う"ダブルスクール"を行う人も少なくない。

福岡県久留米市で障がい者福祉事業を展開するタカコーポレーション(日野髙子社長)が創立した「有馬高等学院」は、全国広域通信制の明蓬館高等学校(本校・福岡県川崎町)のサポート校。同学院の生徒は、個別の教育支援計画に基づき、明蓬館高校の教育課程で学習する。

その上で同学院は、生徒が社会生活スキルを習得できるように、高等教育の学習と同時に、自立に向けた生活訓練を行う併用型コースを設けている。このコースは、自治体が発行する障がい福祉サービス受給者証を持ち、学校に週4日以上通える生徒が対象。インターネットを活用した授業を受けながら、同社が運営する福祉事業所「ひとつ星」で自立訓練や就労講座などを受けることができる。

通常、同学院の年間の学費は73万4000円(初年度)だが、併用型コースを選択することで、学費を17万円(初年度)まで抑えることができるという。これは、市が福祉事業所「ひとつ星」に支給する給付金を活用しているため。サポート校と福祉事業所を併せ持つ特色を生かして実現できた全国初の試みである。

同学院には、教員免許取得者のほか、社会福祉士、精神保健福祉士などの専門家が配置されており、生徒それぞれの個性に対応しながら、手厚くサポートしている。

日野社長は、「発達障がいを理由に学びづらさを抱えている生徒に寄り添いながら、自立した生活を送れるよう支えたい」と話していた。

党市議団は議会質問などを通じて、発達障がいの子どもへの支援を推進。視察後、坂井団長は、「発達障がいの子どもたちにとって希望となるような支援体制の構築に努めたい」と語っていた。

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