e「海空連絡メカニズム」運用開始

  • 2018.06.11
  • 情勢/国際

2018年6月10日



日中の偶発的な衝突回避へ。信頼関係強化も期待



日中両政府は8日、自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を回避する「海空連絡メカニズム」の運用を開始しました。日中防衛当局間の意思疎通のルールを明確化して、艦船や航空機による不測の事態を防ぐのが目的です。

尖閣諸島周辺海域などで中国公船の活動が常態化している中、公明党は、同メカニズムの早期構築を日中両政府に粘り強く働き掛けてきました。

海空連絡メカニズムは、5月の日中首脳会談で正式合意。具体的には(1)不測の事態に備えて幹部が電話で話し合う専用電話(ホットライン)の開設(2)艦船や航空機が異常接近した場合、現場レベルで直接交信できるようにする(3)運用状況を協議する局長級の年次会合開催――が柱です。

ホットライン設置は、電話の設置場所や台数など中国側と詳細を詰め切れず、先送りされましたが、小野寺五典防衛相は、8日の記者会見で「日中両国の相互理解および信頼を増進する上で重要な一歩だ」と意義を強調しています。

連絡メカニズムの早期構築は、公明党が一貫して主張。山口那津男代表は2013年1月に訪中した際、習近平中国共産党総書記(現国家主席)に直接訴えたほか、15年2月の参院代表質問などで日本政府にも早期運用を働き掛けてきました。

8日の運用開始を受け、山口代表は「不測の事態を避けることが日中の強い意思であり、日中平和友好条約の精神の表れでもある。試行錯誤を重ねながら運用がスムーズにいくよう、仕上げていかなければならない」と力説しました。

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