eコラム「北斗七星」
- 2018.06.15
- 情勢/社会
2018年6月15日
認知症の6割以上を占めるアルツハイマー型の初期病理変化として脳内に沈着するアミロイドベータ蛋白。この産生を抑制する物質や除去する抗体が近年開発されてきたという。対症療法薬から根本治療薬の開発も期待がかかる◆しかし、絶望感などからか、認知症高齢者462万人(厚生労働省の推計)のうち、専門医による診断を受けない人も少なくないとみられる。日本認知症予防学会では発症後に症状の進行を緩める取り組みなどの重要性を指摘する◆平均寿命が延びることで認知症の人の数は今後も増えると見込まれる中、国は地域全体の連携構築を進めている。今年度改定された診療報酬では中核的な役割を担う認知症サポート医から、かかりつけ医への指導・助言に報酬を設けたほか、介護報酬では若年性認知症の人への支援なども拡充した◆一方、公明党は先般、認知症の人が尊厳を保ち暮らせる社会へ総合的施策を推進する基本法の骨子案をまとめた◆この分野の第一人者、宮島俊彦・東京大学高齢社会総合研究機構客員研究員は、月刊「公明」7月号の古屋範子党副代表との対談で「認知症の人やその家族の置かれた状況に深い配慮が感じられる」などと評価。わが党は国民に安心と希望をもたらす政治へ、引き続き患者・家族に寄り添い全力で取り組む。(照)