e子ども食堂 安定運営へ
- 2018.06.19
- エンターテイメント/情報
2018年6月19日
市内にネットワーク構築
鳥取市
子ども食堂などを組織的に推進するため、鳥取市は昨年11月に「地域食堂ネットワーク」を設立し、子どもたちへの食事の提供や学習支援、気軽に立ち寄れる居場所づくりなどの取り組みを進めている。公明党市議団(桑田達也団長)は、子ども食堂の普及を促進するとともに、各種事業に積極的に関わり、円滑な運営を支えている。
「カレーだ。いい匂い、おいしそう」。子どもたちの元気な声が聞こえてくる場所は、鳥取市立川町の岩倉地区公民館。ボランティア団体「きりんのまち愛プロジェクト」が運営する「きりんこども食堂」だ。
同食堂は、「気軽に来て、みんなと学び、楽しく食べよう」と地域住民に呼び掛け、毎月第1、第3水曜日に開催。食事の提供だけでなく、大学生による学習支援や読み聞かせ、ゴスペルグループによる合唱なども実施している。参加費は高校生以下は無料で、大人は1人200円。
「うちはひとり親家庭。私の帰宅が遅いから心配だった。こんな居場所があってホッとしています」と語るのは、いつも参加する子の保護者。また、小学生の女の子は「お姉さんたちがいっぱいいて、とても楽しい」と笑う。同食堂の運営に携わる桑田議員は、自らフライパンを手に料理を振る舞いながら、「子どもたちと保護者が孤立しないよう地域で見守る、この取り組みを育てていきたい」と強調する。
鳥取市は昨年3月、公明党の推進により「子どもの未来応援計画」を策定。「子どもが、家庭の経済状況にかかわらず、自分らしく豊かで幸せな生き方を見いだしていく力を育むこと」を基本目標に、子ども食堂や学習支援などを含む多元的な居場所の拡充や、地域で子どもを守り育てる環境づくりなどをめざしている。
食材調達など支援団体と連携
公明議員が下支え、17カ所に拡大予定
計画策定を受け、市が昨年11月に、子ども食堂などを継続的・安定的に運営するために立ち上げた「地域食堂ネットワーク」は、市中央人権福祉センターが事務局を担当。子ども食堂を運営するボランティア、NPO法人など10団体と、金融機関や社会福祉法人、生協、食材を提供する農園など、食堂の運営を支援する10団体が協力するネットワークを結んでいる。現在、子ども食堂は市内11カ所で実施。市は今後、17カ所まで増やしたい考えだ。
一方、食堂で使う食材は、中央人権福祉センターが支援団体から提供された食材を管理し、各食堂に分配している。「山光いなば農園未来の宝応援プロジェクト」は、食材を提供する支援団体の一つ。耕作放棄地を有効活用し、タマネギやジャガイモなどの野菜を栽培している。同農園プロジェクトの運営に関わる石田憲太郎議員は「野菜の植え付けや収穫などのイベントを開催し、地域住民や食堂のスタッフ、子どもたちの交流を図り、にぎわいを創出していきたい」と話している。