eコラム「北斗七星」

  • 2018.06.26
  • 情勢/社会

2018年6月26日



突き詰めれば、こうした話も出るだろう。奈良県生駒市役所は4月から市職員に一つのルールを打ち出した。たばこを吸った後の45分間は、市役所のエレベーターの使用を禁止という内容である。喫煙後、この程度の時間は体内から有害物質が出続けるとの研究結果があるという。罰則はなく各自の良識に委ねる◆受動喫煙を抑制する法案が、延長国会の重要テーマになっている。一定面積以上の飲食店は禁煙などとした。なぜ今、必要なのか。2年後の東京五輪・パラリンピックを前に、世界中から訪日客を迎えるホスト国として、望まない煙を吸わない環境づくりが欠かせないからである◆東京都議会には、国に比べてさらに厳しい規制を設けた条例案が提出されている。従業員を雇う飲食店は面積に関係なく全面禁煙とした。あす27日の都議会最終日で採決される見通しになっている◆成人がたばこを吸うのは自由である。だが、以前とは状況が明らかに変わってきている。受動喫煙による健康被害が明らかになっている以上、放置はできない◆さらに受動喫煙ノーは、もはや世界の潮流ともなっている。吸う人と、副流煙を吸い込みたくない人の権利を共に守る"最大公約数"が今回、国の法案に示されている。課題解決に向けて、一歩前に進めるのが政治の役目である。(広)

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