e"たばこの煙のない五輪"へ

  • 2018.07.02
  • 情勢/解説
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2018年7月1日



答える人=橘正剛さん 都議会公明党政務調査会長(都議)



屋内を原則、禁煙にする「東京都受動喫煙防止条例」が、6月27日の都議会本会議で公明党などの賛成多数で可決、成立しました。同条例のポイントを都議会公明党の橘正剛政務調査会長に聞きました。


受動喫煙を防止する厳しい条例が都議会で成立したんだって 男性

子どもや職場で多くの時間を過ごす従業員らを守るためです 


男性 受動喫煙を防止する厳しい条例が、東京都議会で成立したんだって?

 この条例は受動喫煙、つまり他人のたばこの煙を吸い込むことを、いかに防ぐかを目的にしています。

男性 確かに、受動喫煙による健康被害が大きな問題になっている。

橘 日本では受動喫煙による死亡者数が年間約1万5000人に上っているとの推計があります。

加えて、2020年の東京五輪・パラリンピックの開催都市として、国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)が進めている"たばこの煙のない五輪"を実現するためでもあるのです。

ロボ 都条例は大きく、二つのルールを定めているね。

橘 そうです。一つ目として、自分の意思で受動喫煙を防ぐことが難しい子どもたちを守るため、幼稚園や保育所、小中高校などについては、屋内だけでなく、敷地内を禁煙としています。

ロボ もう一つのルールは、働く人向けだね。

 働く人が一日の多くの時間を過ごす職場での受動喫煙を防ぐため、原則、屋内禁煙とし、喫煙専用室を設ければ、そこでのみ喫煙できることにしています。

この二つが公明党が都条例に賛成した主な理由です。

男性 飲食店は?

 従業員を使用している飲食店は原則、屋内禁煙となります。個人や家族が経営している飲食店で従業員がいない場合については、禁煙か喫煙を選択できます。


公明党は定例会で飲食店への支援策を訴えた ロボ
都は中小に対し喫煙専用室の設置費用の90%を補助する方針 橘


ロボ 国会で審議中の受動喫煙を防ぐ健康増進法改正案と、都条例の違いは?

 法改正案が成立すれば、都条例と同様に、罰則付きで20年4月1日に全面施行されますが、飲食店への対応に大きな違いがあります。

法改正案は、客席面積100平方メートル以下などの条件を満たす既存店には例外的に喫煙を認める猶予措置を設けています。

一方、都条例は「面積」ではなく、飲食店に従業員がいるかどうかという「人」を基準に、より厳しい規制を行います。

男性 客足に影響しない?

 都条例により、都内飲食店全体の約84%が規制対象になると想定されており、そうした懸念もあります。私たちが行った関係団体などとの意見交換でも、売り上げへの影響などについて意見を伺いました。

ロボ そこで公明党は、都議会定例会で支援策を訴えたね。

橘 その通りです。実情を踏まえ、具体的に提案しました。これに対し、小池百合子知事は規制対象の中小飲食店が喫煙専用室を設ける場合、費用の90%を補助する方針を示しました。

また、公明党の主張通り、区市町村に対し専門相談窓口や屋外公衆喫煙所の設置費用全額を補助することを表明しました。

男性 「加熱式たばこ」は?

 まだ受動喫煙による健康への影響が明らかでないので、飲食店内の専用喫煙室で飲食しながらの喫煙も認めます。

都条例の施行を機に、誰もが快適に過ごせる街づくりに一層、取り組んでいきます。

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