e都市農地貸借法を制定

  • 2018.07.02
  • 情勢/解説

2018年7月1日



都市農業の振興へ期待
相続税納税猶予 適用拡大は画期的
公明党の推進に感謝
JA東京中央会 須藤正敏会長に聞く



都市農地の円滑な貸借を可能にする都市農地貸借円滑化法が成立し、6月27日に公布された。同法は都市農業を守るため、公明党が推進し実現させたもの。期待される効果などについてJA東京中央会の須藤正敏会長に聞いた。


―都市農地貸借法により、期待される効果は。


須藤正敏会長 これまで農地貸借に関する制度は借りる側の権利が強過ぎた。行政が解約を許可しなければ、借り手が借り続けられるため、土地所有者が貸し渋る状況が続いた。都市農地貸借法で、市区町村が認めた事業計画に基づいて農地の賃貸借期間終了後に、土地所有者に農地が確実に戻ってくる仕組みが構築され、土地所有者は安心して貸し出せるようになる。

高齢化や後継者不足などを理由に営農を辞める人は少なくない。意欲ある農家に農地が集まり、都市農業の振興につながることを期待したい。


―今回、税制優遇も拡充される。


須藤 第三者に生産緑地を貸し出すと打ち切られていた相続税の納税猶予は、事業計画に基づけば、貸借時にも適用になる。都市農地保全への道を開くもので画期的だ。

一方、生産緑地内の農業用施設については相続時に納税猶予が適用されない課題がある。納税猶予の対象をさらに拡大してほしい。


―都市農地が保全されるメリットは。


須藤 都市農地は、新鮮な農産物の供給や防災空間の確保、心安らぐ緑地空間の創出など多面的な機能を持つ。大都市の中で農地が残っていくことは農家のためだけではなく、周辺住民の暮らしに、潤いや安心が生まれる利点がある。


―都市農業の振興に向けて、公明党も全力で取り組んできた。


須藤 都市農地の保全へ農家から丁寧に課題を聞き率先して取り組んでくれたのが公明党だ。都市に農地は「あるべきもの」と位置付けた都市農業振興基本法(2015年成立)の制定をはじめ、都市農業の振興を後押ししてくれた。

昨年6月には、公明党が農林水産相に対して、生産緑地の円滑な貸借を促す体制整備や、貸借時の相続税納税猶予適用を提言してくれたおかげもあり、今回の都市農地貸借法成立につながった。本当に感謝している。今後も、頼もしい味方であってほしい。

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