e障害年金 支給継続へ
- 2018.07.04
- 情勢/経済
2018年7月4日
山本さん、停止回避を訴え
厚労相 「1件1件、丁寧に対応」
障害基礎年金の認定事務の集約化に伴い、日本年金機構が1010人の受給者に診断書の再提出を求めていたことを巡り、加藤勝信厚生労働相は3日の参院厚労委員会で「集約前の認定も、認定医が医学的に総合判断したものであることなどを踏まえ、1件1件、丁寧に対応するよう努めたい」と述べ、支給停止回避に向けた対応を行う考えを表明した。公明党の山本香苗さんの質問に対する答弁。
同年金は、機構に提出された診断書を認定医が医学的知見を活用して総合的に審査し、障害等級を認定する仕組み。認定の地域差をなくすため、都道府県単位だった審査が昨年4月から東京の障害年金センターに集約された。しかし、その結果、昨年末に、20歳より前の障がいによる受給者の一部は「障がいの程度が軽い」として、診断書の再提出を求められ、今月末がその提出期限となっていた。
このため公明党は、6月1日の衆院厚労委員会で桝屋敬悟氏が、支給停止となった場合の障がい者の生活への影響を訴え、支給停止回避へ特段の配慮を求めていた。
これを踏まえ、質問では山本さんが「障がいの状況が従前と変わっていない場合、(集約前の)認定医の医学的知見と同様の知見を活用して医学的に総合判断すれば、集約前と同じ判断になり、支給停止とはならないのではないか」と訴えた。
加藤厚労相は「例示のケースは当然、指摘のような判断になる」と答弁。集約に伴い認定医と事務局が一斉に変更されたという特別な事情があったことを考慮する必要性も認め、「障がいの状態が従前と変わらない場合は、集約前の認定も踏まえて医学的な総合判断を行う」と述べた。
さらに山本さんは、20歳以後の障がいによる障害年金では、集約後の審査で支給停止された受給者が昨年度で2933人いると指摘。機構のサンプル調査では、診断書の内容が変わらなかったのに支給停止となった事例が約14%あったとして、再度点検するよう訴えた。
加藤厚労相は、20歳前の障害年金と同様の考え方によって再点検し、支給対象と判断されれば「停止した月の分から(年金を)支払う」と説明した。その上で、機構が適切に対応するように「しっかり指導したい」と語った。
生活保護世帯向け 進学支援情報の冊子作成
このほか山本さんは、生活保護世帯の子どもの大学などへの進学を後押しするよう強調。各種進学支援制度や相談先などの情報をまとめた堺市の冊子を紹介し「厚労省も分かりやすい冊子を作るべき」と提案。厚労省側は「作成する方向で検討したい」と応じた。