e参院選挙制度 自民案(定数6増)が可決
- 2018.07.13
- 政治/国会
2018年7月13日
西田実仁 参院幹事長に聞く
参院選挙制度改革を巡り、自民党などが提出した公職選挙法改正案が11日の参院本会議で可決、衆院に送付されました。今回の選挙制度改革に向けた公明党の取り組みなどについて、西田実仁参院幹事長に聞きました。
抜本改革で付帯決議
公明 議論は継続、コストも節減
――参院選挙制度改革が議論されている理由は。
西田実仁参院幹事長 2015年改正の公職選挙法の付則に、19年参院選までに「1票の格差」是正へ選挙制度の抜本的な見直しについて検討し、「必ず結論を得る」と明記されているからです。参院には今国会で、その結論を出す責務があります。
ただ、各会派の意見の隔たりは大きく、参院議長からは各会派が国会に法案を出し、議論するよう指示がありました。これを受け、公明党は従来から主張してきた抜本改革案である「全国11ブロック別の大選挙区制」の独自案を提出。各党に説明に回り、一部の野党からは賛意が示されましたが、委員会で可決するまでには至りませんでした。
――自民党案への公明党の対応は。
西田 公明党は、合意形成へ採決に至るまでギリギリの努力を重ねてきました。自民党に修正案を提示し、再考を迫りました。自民党案は、「1票の格差」是正へ埼玉選挙区の定数を2(改選定数1)増やし、比例区は定数を4(同2)増やす案です。公明党は、参院が創設以来、選挙区と比例区の定数比率3対2を維持してきたことから、選挙区を2増するのであれば、比例区は2増に抑えるよう訴えましたが、自民党からの回答は、時間的制約もあり、現段階では難しいというものでした。
――最終的に自民党案が可決されました。
西田 公明党は、選挙制度の決定について、自民党単独ではなく、より幅広い合意に基づくべきであるとの考えから、付帯決議を提案し、自民党もこれを受け入れました。こうした自民党の対応などを踏まえ、公明党は自民党案に賛成することを決めました。
付帯決議を提案したのは、自民党案で「1票の格差」は幾分是正されるものの、抜本改革には不十分だからです。定数増への懸念が強く、自民党内からも「臨時的な措置」という見方があることから、自民党案が成立しても、抜本改革に向けた議論は続けていく必要があります。
――付帯決議の内容は。
西田 付帯決議では、参院選挙制度改革について、「投票価値の平等」を求める憲法の趣旨を踏まえ、引き続き検討することを示しました。また、定数増に伴い、国民の皆さまの負担が増えないよう、本会議、委員会の会議録といった印刷物のペーパーレス化など参院全体の経費の節減を行うことも明記しています。付帯決議で今後の改革の方向性に縛りをかけ、自民党がそれを受け入れた意義は大きいと考えています。