eコラム「北斗七星」

  • 2018.07.20
  • 情勢/社会
2018年7月20日


「泳ぎより歩行に移るその境」(山口誓子)。夏本番の到来で各地の浜辺は、汀線付近の遊泳や砂遊び、貝殻拾いなどで賑わいが佳境を迎える。海流のただ中に位置する日本の人々にとって、海の恵みや文化をもたらした渚から豊かな情操を培ったのではないか◆民俗学者の谷川健一氏によると、世界でも有数の長い海岸線は、海からの来訪神や死者の魂を送り迎える儀礼の場所であったという。その歴史から「独特の感情が育まれた」(『渚の思想』 晶文社)と◆こうした貴重な光景を次世代に残すことこそ政治の大切な使命である。公明・自民両党の主導による海岸の良好な景観保全を進める「海岸漂着物処理推進法」(議員立法)導入から約9年を経て、今国会で海洋汚染の防止に向けた同改正法が成立・施行された◆洗顔料や歯磨き粉などに含まれる微細なプラスチックである「マイクロプラスチック」の使用抑制を事業者に促すことなどを柱とする。わが国周辺海域で濃度が高いといわれる同プラスチックは、有害な化学物質を吸着して生態系への悪影響が懸念されるためだ◆公明党は改正法でも他党に先駆けて海岸漂着物調査や党海ごみ対策推進委の設置、政府への提言申し入れなどで尽力。国民への意識啓発とともに循環型社会形成に向けた取り組みを加速させたい。(照)

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