e西日本豪雨を激甚指定
- 2018.07.25
- 情勢/経済
2018年7月25日
公明訴え 政府、早期復旧へ前倒し
政府は24日の閣議で、岡山、広島、愛媛県など西日本を中心に大きな被害をもたらした豪雨災害を激甚災害に指定した。これにより、地方自治体が行う道路や農地などの復旧事業に対する国庫補助率が1~2割程度引き上げられる。指定政令を27日に公布・施行する。
小此木八郎防災担当相は閣議後会見で「被災した自治体には、財政面に不安なく迅速に災害復旧に取り組んでいただきたい」と述べた。
今回の指定対象は5月20日~7月10日にかけての梅雨前線などによる豪雨で被害を受けた全地域。河川や道路といった公共土木施設や農地、学校などの復旧事業を支援する。
内閣府によると、今回の災害による全国の公共土木施設の復旧事業費見込み額は18日時点で約3210億円となり、指定基準の1799億円を超えたが、被害額はさらに積み上がる見通し。
従来は指定までに数カ月かかっていたが、被災自治体の迅速な復旧を後押しするため、政府は昨年12月に運用を改善。被害調査着手から最速1週間程度で「指定見込み」を公表できるようにした。
最近では、福岡、大分両県などに大きな被害をもたらした昨年7月の九州北部豪雨が激甚災害に指定されている。
激甚災害指定については、公明党の山口那津男代表と「平成30年7月豪雨災害」対策本部が17日、安倍晋三首相に行った緊急要請の席上、早期指定を強く訴えていた。
■中小企業復旧で金利優遇も
政府は24日、西日本豪雨などで被災した中小企業の復旧を支援するため、災害対応融資の金利引き下げを閣議決定した。激甚災害の指定に伴う特別措置で、日本政策金融公庫の災害復旧向け融資の金利を0.9%引き下げる。
対象は西日本豪雨などで被害を受け、各自治体から罹災証明を受けた中小企業など。
優遇金利が適用される上限は各事業者で1000万円、中小企業の団体向けは3000万円。期間は貸し付け後3年間。