e最低賃金 上げ幅最大
- 2018.07.26
- 情勢/経済
2018年7月26日
全国平均 26円アップの874円
公明が推進 10月ごろ適用
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は25日未明、2018年度の最低賃金(時給)の目安を全国平均で26円引き上げ、874円にすると決めた。目安の上げ幅は前年度を1円上回り、比較可能な02年度以降で最大。引き上げ率は3%。3年連続で政府目標通りに決着した。
最低賃金は全ての労働者に適用され、賃金がこれを下回ると違法になる。パートやアルバイトなど、最低賃金に近い水準で働いている非正規労働者の待遇改善につながりそうだ。
都道府県別の引き上げ幅の目安は、東京などAランク6都府県が27円、京都などBランク11府県が26円、群馬などCランク14道県が25円、福島などDランク16県が23円。最低賃金が最も高いのは東京の985円、最も低いのは高知など8県の760円。
小委の決定を受け、審議会は26日に加藤勝信厚労相に最低賃金引き上げの目安を答申する。都道府県の審議会は目安を参考に各地の最低賃金を決め、10月ごろから順次適用する見通し。
政府は16年度以降、経済財政運営の基本指針である「骨太の方針」に公明党の主張を反映し、最低賃金について「年率3%程度を目途として引き上げ、全国加重平均が1000円になることをめざす」と明記している。18年度も最終的にはこの方針に沿って労働側、使用者側の双方が折れ、目安が決まる形となった。
目標「1000円」沿う決定
石田祝稔 党政調会長
過去最大の上げ幅となった今回の最低賃金引き上げ決定は、働く人にとって大きな朗報だ。率直に評価したい。
政府は公明党の主張を踏まえ、2016年に「最低賃金を年率3%程度をめどに引き上げ、全国加重平均で1000円をめざす」とする方針を決めた。今回は、その目標に沿う形となった。引き続き、最低賃金1000円の実現に向け、取り組みを進めていく。
一方、給料を支払う中小・小規模事業者の経営を圧迫する恐れがあるので、現場の声を聞きながら、生産性向上への支援などに引き続き取り組みたい。