eカラス被害防止へ新条例

  • 2018.07.30
  • 生活/生活情報
2018年7月30日


来年1月から施行 
千葉・市川市


千葉県市川市議会の6月定例会で、市議会公明党(西村敦幹事長)が提出した「市川市民が安全で安心して快適に生活することができる環境の向上のためのカラス被害の防止等に関する条例」(カラス被害防止条例)が賛成多数で可決、成立した。カラスによる被害を防止する目的で、適正なごみの排出や集積場の管理に努めるよう求める内容。市によれば、このような趣旨の条例は全国で初めて。来年1月から施行される。

「ごみ出し」に工夫を促す

カラスにとって生ごみは格好の餌であり、集積場に寄り付き、ごみを散らかす。さらに、ふんで建物を汚したり、繁殖期になると巣に近づく人を威嚇・攻撃するなど、カラスと人のトラブルは多い。
市川市では、カラスによるトラブルが2000年ごろから現れ始め、ごみにかぶせるカラス対策ネットの普及などに取り組み、一定の効果は見られたものの、カラスに関する苦情や対策を求める声は後を絶たなかった。

市民の声受け、市議会公明党が提案

これに対し、市議会公明党は中村義雄議員が中心となって、17年4月から議員提案による条例案の策定に着手。中村議員は、ごみ集積場の管理について定めた愛知県小牧市の条例などを参考に、学識者らと意見交換を重ね、素案をまとめた。
さらに、市議会公明党は今年4月から5月にかけて、市民500人に「カラス被害に関するアンケート」を実施。308人の回答者のうち、市のカラス被害対策を十分だと感じている人は、わずか1.3%。多くの市民が対策の充実を求めている現状が明らかになった。

集合住宅 集積場の改善で指導・支援も

条例は全17条からなり、市長や事業者、市民がそれぞれの責務を適切に認識し、協力して推進することなどを明記。特に、マンションやアパートなど集合住宅のごみ集積場での対策に重点を置いている。具体的には、集合住宅の所有者などに対し、ごみ集積場を設置、管理する上で、カラスによる被害の未然防止や被害の低減を規定。カラス被害が発生した場所に対して、市長が所有者などに改善を指導・支援するとともに、従わない状態が続くケースは改善勧告や命令、公表することが明記されている。
また、集合住宅以外の集積場の利用者には、カラスがごみに接触できないような排出に努めることが定められている。
市議会事務局の板垣道佳次長は「市長と市民、事業者がそれぞれに役割を担って対策を実施していく根拠となり、一歩進んだ条例」と話していた。
条例の成立を受けて、市議会公明党はこのほど、市役所内で村越祐民市長と会い、施行に向けた必要な予算の確保を求めた。
村越市長は議員提案の条例を「重く受け止めている」と強調。「市のホームページや広報で制度の周知を行うなど、しっかり対応していきたい」と話していた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ