e乳幼児感染症の予防へ
- 2018.07.31
- エンターテイメント/情報
2018年7月31日
党女性委プロジェクトチームが勉強会
公明党女性委員会の健康・医療プロジェクトチーム(PT、座長=伊藤孝江参院議員)は25日、乳幼児感染症の予防について勉強会を開き、国会と地方議会の女性議員が参加しました。感染症対策について、党員の公恵さんと明子さんが友人の友美さんに語っています。
おたふくかぜとロタのワクチン 定期接種化を
合併症を防ぐためにも必要
公恵 党女性委PTは25日、国会内で勉強会を開き、日本外来小児科学会理事で外房こどもクリニック院長の黒木春郎医師が講演しました。
友美 乳幼児の感染症って、どんなものがあるの?
明子 ロタウイルスやB型肝炎、ヒブ、はしか、日本脳炎、ノロウイルスなど、いろいろとあるわ。
公恵 感染症にはワクチンがあるものと、ないものがあります。ワクチンがある感染症は、予防接種で防ぐのが基本です。
友美 ワクチンって何?
明子 感染症を予防するための医薬品で、免疫が得られるのよ。病原体の細菌やウイルスを弱毒化した「生ワクチン」と、感染能力を失わせた病原体を原料とする「不活化ワクチン」の2種類があるわ。いずれも、ワクチン接種によって病気を発症することはないわ。
公恵 講演で黒木院長は「1980年に世界で根絶された天然痘は、ワクチンで根絶された人類初の疾患」と説明しました。天然痘はかつて周期的に流行し、感染力が強く、死に至る病として恐れられていました。
友美 ワクチンの効果は高いのね。日本では、「定期接種」と「任意接種」があると聞くけれど、どう違うの?
明子 「定期」は法律に基づいて市町村が実施し、費用負担はなし。「任意」は希望者のみが受けるもので、自己負担が発生するわ。ただし「任意」でも市町村が独自に費用助成を行っているところもあるわ。
公恵 黒木院長は現状では「任意」のおたふくかぜ、ロタウイルスのワクチンについて、定期接種化が必要だと訴えました。
友美 どんな病気?
明子 おたふくかぜは正確には「流行性耳下腺炎」といい、耳下腺が腫れるわ。発熱は起こらないこともあるの。
公恵 おたふくかぜで怖いのは合併症です。激しい頭痛を伴う無菌性髄膜炎や、重度の難聴を発症するケースもあります。こうした事態を防ぐために、ワクチンの接種が有効です。
友美 怖い病気なのね。
明子 ロタウイルスは急性の胃腸炎を引き起こし、下痢、嘔吐、発熱などの症状が出るわ。黒木院長によると、発展途上国では、乳幼児の死因の1位がロタウイルスなの。日本は医療へのアクセスが良いために死に至るケースは多くないけれど、重症化すると恐ろしい病気であることに変わりはないわ。
公恵 世界保健機関(WHO)も、世界中の全ての地域の乳児にロタウイルスワクチンを接種することを推奨しています。
保護者の負担も軽減
明子 英国では2013年にロタウイルスワクチンが定期接種化され、症例の報告数が84%も減少したそうよ。
友美 子どもの健康が守られているのね。
公恵 ワクチン接種の効果は、子どもの健康維持のみにとどまりません。黒木院長は、子どもがロタウイルスに感染した場合に保護者が付き添いや欠勤することによって発生する「労働損失額」のデータを示し、医療費以外の経済的負担も減らせると述べました。
明子 さらに黒木院長は、小児科医がいなかった千葉県いすみ市で開業した経験を踏まえ、重症化し、遠方で治療を受ける事態を防ぐためにも、ワクチンの接種率を向上させることが重要だと訴えたわ。
友美 子どもの病気が減れば、保護者の負担も減るわね。
明子 そうね。ワクチンによって防げる病気を予防することは、女性の就労支援や男性の育児支援にもつながるわ。
友美 保護者の経済的負担を軽くするためにも、公費助成や定期接種化を進めてほしいわ。