e認知症の本人・家族に優しい地域づくりへ

  • 2018.08.28
  • 生活/生活情報
2018年8月28日


「サポーター」の活躍拡大 
厚労省 当事者との"橋渡し"を支援 
公明提案で来年度から


認知症の人と、その家族に優しい地域づくりへ――。厚生労働省は公明党の提案を踏まえ、2019年度から、認知症の人と、地域で支援に取り組む「認知症サポーター」をマッチングする「オレンジリンク(仮称)」事業を始める方針を固めた。同年度予算概算要求に関連経費を盛り込む。
両者を仲介する"橋渡し"役となるコーディネーターの活動費などを補助する考え。サポーターによる支援活動を強化することで、認知症の人が変わらず日常生活を送ったり、社会参加できるようにする。
オレンジリンク事業は、都道府県が手掛け、厚労省が経費を助成する。市町村などに委託して実施することも認める方向で調整する。
認知症サポーターは、日常的な見守りなどのボランティア活動に携わる。サポーターになるには、認知症の原因や症状、本人への対応などを学ぶ養成講座を受講する必要がある。
現在、全国に約1037万人のサポーターがおり、養成は進んでいるものの、実際は活動できていない人も少なくない。厚労省はオレンジリンクを通じてサポーターが活躍できる場を増やし、支援活動を活発化したい考え。認知症と診断された後に心理面や生活面を支える取り組みを早期に展開することで重症化の予防も期待できる。
厚労省の推計によると、認知症の人は12年時点で462万人いる。団塊の世代が全て75歳以上の後期高齢者になる25年には約700万人に増加する見込みで、社会全体で支える環境づくりが急務になっている。
公明党は、認知症サポーターの養成推進へ、各自治体での取り組みに加え、党員会で養成講座を開くなど積極的に後押ししてきた。
党認知症対策推進本部(本部長=古屋範子副代表)が17年12月に政府に申し入れた提言では、認知症の人と地域で関わることが想定される小売業・金融機関・公共交通機関・理美容業・配送業などに対して認知症サポーターの周知と養成講座の受講を勧めるよう要請。
今月7日に党厚労部会(部会長=桝屋敬悟衆院議員)が加藤勝信厚労相に提出した19年度予算概算要求に向けた提言では、「認知症サポーターが地域で活躍できる場づくり」「地域コミュニティでの見守り体制の構築」を提案していた。

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